宇宙へのパスポート3
笹本祐一のロケット打ち上げ取材本の3巻目です。
今回はユーロコットがメイン、サブでシャトル、はやぶさの取材、チョイスとしてはかなり渋い部類と思うのですが…。
濃すぎて正直きつい、それから迂遠な文句が多すぎる。
ロケット取材ほど金が掛かり、予定が立たない取材対象は無いと思うのですが、それにしても、今回は文句の部分が多すぎて、しかも内容的にも楽しく読める、という部分がかなり少なくなっています。ロケットが大好き、という人間で無ければ。
逆にロケット大好き、本気で打ち上げを見に行きたい、特に海外のロケット打ち上げを! と思う人にはかなり参考になる部分は多くなっていると思う、のですが…プレス優遇が殆どで、個人で海外の打ち上げを見に行くというのはほぼ不可能という、当たり前の事実とプレスの優遇具合がわかる、という程度の内容になっています。正直、微妙すぎる。内容的に。
翻って、僕らでも頑張れば何とかなるかもしれない、というはやぶさのイトカワ着陸取材の方は非常に内容が濃く充実しており、よしつね的にははやぶさの取材が無ければ、次は買わないと決めただろう、というくらい良い出来でした。
1巻の、面白おかしく、それでいてちゃんとアカデミックな部分も残している、という作りが一番わかりやすい取材記だと思うのですが…どう思いますかね?
個人的には、あさりよしとお等の漫画家さんの挿絵や、素人ならではのロケット解説、ってのが極端に少なくなったのはとても残念です。
最後に…松浦氏のコラムは本当に的確かつ、要点をしっかりまとめているので、これだけでも一見の価値はある、のですが…いかんせん、少々高く扱っている本屋が意外に少ないというのが難点という本です。
はやぶさのスペシャルな運用方法を知りたい方には強く推奨しますが、それ以外の方は…お財布に余裕があれば、どうぞ、という本です。