皇国の守護者

まずは簡単な感想からなので、あっさりテイストで。


毛苦労氏*1から、忘れた頃に送られてきました*2


架空戦記というと、よしつね、よくよく思い起こすと…銀河英雄伝説以来、この手の作品は読んでいなかったことに気付く。*3


未読の方のために…というより、よしつね自身、まささわりしか読んでいないのですが、かなり面白いです。
日本とアメリカをブレンドした皇国とドイツとロシアを合わせた帝国の戦記、というのが軸で話が展開されるのですが…ストーリー自体はかなりシンプルな部類に入ると思います、が、背景描写や設定が非常に良く練られています。


そして、個人的に好きなのがサーベルタイガーや龍*4といったものを戦争の戦力として組み入れているところですね。


僕は前々から言っている通り、通り一遍等、いかにもなファンタジーな舞台設定というのは生理的嫌悪のレベルで嫌いなのですが、こういう上手な組み入れ方は本当に感心します。
無論、これもただ群れているのではなく、それなりに背景があるのが面白い。


そして、僕の好みをくすぐるのが主人公は凶相のティキン野郎というのが心地いい。最近流行りの美形がバリバリ大活躍、もうなんでもアリという作品には嫌気が差しているよしつね、そもそもとして百戦錬磨、一騎当千のエースが色男な訳がねぇだろうが!特に陸戦で!というよしつねにとっては、これはある意味納得の所存であります。


最後によしつねお気に入りのストーリー、北の真冬の撤退戦という、どう頑張っても勝てないシチュエーションをどう切り抜けるかというのが楽しいですね。読んでいて。この辺は件の無責任シリーズに似ているのかもしれませんが、化け物というか適当なタイラーに対し、皇国の新条はとにかく慎重、というところが明らかに違います。
また、陸戦という事で、その闘いの描写に関しては(かなり適切であるものの)結構なヤバさがある、というのも良いですねぇ。


暫くはまとめて一気に読む、というのは無理かと思いますが、少しずつでも読み進めようかと思います。…と、言っても、読み始めると夢中なんですけれどね。


久しぶりにお勧め。
特に、今、AoE3をやっている皆にはお勧めかなぁ。

*1:しっかし、本人がこのペンネーム?を使用しているのだが…言い得て妙、と思えるのが不思議。確かに…苦労、してますよねw毛に苦労が行かない様、祈っております

*2:その状況は後述

*3:無責任シリーズを戦記ものと言ってよいのであれば、無理矢理にでも含められます、が。しっかし…個人的にファミ通文庫の真・無責任艦長シリーズは正直…微妙かなぁ。面白いことは面白い、けれど、セルフパロディの域に達していないと思うし、何より『受けしか狙っていない』ところが、なぁ…吉岡平のライトな方の作品が楽しめなくなってきたのは、年のせい、かなぁ

*4:中国の方で言われている龍。イメージとしては、パンツァードラグーンに出てくるような奴…も出てくるのだが、中心となるのは、ドラゴンボール神龍の方