笹本祐一 宇宙へのパスポート 朝日ソノラマ

もし、もしも貴方がロケットの事を知りたければ、まんがサイエンス(2)とこの本があれば簡単にロケットを語る事が出来ます。
さておき。一番面白かったのがスペースシャトル編ですね。他の編も面白いんですが、一番分量を取っているだけあって、その内容は濃いです。無駄に。
無駄と書いたのは、ロケットより飛行機の話が多いからです。僕みたいに海外に行ったことの無い人間にとっては、読むだけでわくわくします。いずれにしてもこの編はアメリ旅行記と言って遜色ないよね。
打ち上げの撮影方法や周辺の状況に関して、情報としてはいい感じに仕入れる事が出来ます。松浦氏の技術的なコラムも面白い。
ちょっと気になるのは、マスコミに対する偏向的な書き方。そりゃ「なんでロケットって酸素がいるの?」的な、末期的な人間がジャーナリストやってりゃ文句の一つも書きたくなるのは解りますが、叩くだけに終始、というのはちと鼻につきますね。もう少し良くする方法を押し立てた方が良かったんじゃないかな。
まー確かに、今の世の中、科学とか…いや、そもそも星を見上げて何かを思うという好奇心を持つこと自体が難しいと思いますが、この本でちょっとは埋まるかもしれません。
続編のミューロケット取材の方が「ロケット観測」という点では面白いと思います。