時雨沢恵一 アリソンⅡ 電撃文庫

キノの旅と比べると、キノは「あっさり柔らかい文章でえげつない」というのがウリ、だと思うのですが、アリソンは「あっさり柔らかい文章でいい感じの話」というもの。Ⅱとある通り二冊目です。あとがきにもありますが、前作を読んでいないと背景を一切書いていないのでお勧めしておきます。
と言う事で、今回の批評は前作を読んだ人向けで進めます。いやぁ全く、ベネディクト少佐が美味しいキャラですねぇ。今回のテーマはお王国とお姫様なんですが、彼が美味しいところを全部さらっていきます。それにしてもヴィルの朴念仁ぶりは更に磨きが掛かってますね。アリソンももっと解りやすく攻めればいいのですが。少佐に粉かけられているってのにねぇ。
飛行機やアエロサンといった描写は流石ですね。ディティールもさることながら、愛着をひしひしと感じます。それから銃器も。サブマシンガンをのこぎり代わりに使うところは凄く丁寧でした。
詳しい内容は読んでもらうのが一番ですが…さわりだけ。今回はヴィルが修学旅行に行くところから始まります。そして、演習で近くに来ていたアリソンに拉致同然に連れ去られます。演習は合同演習、当然ベネディクト少佐もいます。そしてアリソンたちは小さな村に立ち寄り、後を追う様にベネディクト少佐は彼らを(正確にはアリソンを?)追いかけるのですが…キーワードは先ほど言った通り、王国とお姫様。
後は読んでみて下さい。キノの旅と違い、後味が非常にすっきりしていて気持ち良いですよ。