秋山瑞人 猫の地球儀(焔の章、幽の章) 電撃文庫

これは良いですね。猫好きは楽しめるよ、との事で早速読んでみたが、最初のスパイラルダイブのシーンで痺れました。
知能が発達した猫しか居ないコロニー、トルクは地球儀(地球?)を回る。地球儀を目指すスカイウォーカーの幽(かすか)とロボット・クリスマスの出会い、トルク最強を決める戦い、スパイラルダイブの渦中にある二体のロボットを操る焔(ほむら)。焔が最強のスパイラルダイバーになった時から大きく物語は動き出します。
まずはスパイラルダイブや焔vs幽のバトルで嵌まりますが、本当に面白いのは下巻である幽の章です。上巻の中盤から出てくる楽(かぐら)がキーパースン(キーキャット?)になるのですが…これ以上は呼んでもらった方が良いですね。天真爛漫な彼女は可愛いぞん。しっかし…別の作品でもそうなのですが、秋山瑞人って人はヒロインの魅力の引き出し方といぢめ方を心得ていますねぇ…。それでも『ブラックジャックによろしく』の様に鬱屈とした雰囲気にならないのはテーマが高潔だからだと思います。
この本のテーマは『夢』です。
さて、内容はやはり読んでもらうとして、ちょっとだけ。よしつねはこの本の焔の様な考え方を数年前までしていました。しかも、その後の心変わりも非常に似ているんですよねぇ…。だからこそ、必要以上に好感が持てたのかもしれない、何て考えています。
ちょっと古い本ですが、書泉あたりでは余裕で置いてあるんで、ちょっと心が疲れたときに読むと良いかも。