電話番

僕の会社には、つい最近、昼食時の電話番制が出来たのですが…。


今日は金曜、しかも夏休み導入ということで、全然電話が掛かってきませんでした。
ま、だからこのようなテキストを書いていられる訳ですけれどね。


はてさて。
社会人になって、まず真っ先に覚えるのが『電話の応対』だと思います。
別に新社会人だけでなく、転職して、会社が変わった人間でもそうなると思うんですけれどね。これが、会社の気質を如実に表していて面白い。


例えば、以前の会社は客商売なので、システム担当とは言え電話の応対が非常に厳しかったんですよね。もうそれこそ、3コール以上待たせたら『お待たせしました』だし、社内と社外で応答の言葉も変えなければならない。
金を貰っていなければ、本当、どうでもいいところ*1までやらされます。


逆に今の会社はフランクすぎてちょっとビビリます。
僕が出社初日に電話を取っただけで英雄扱い*2。いや、別に誰も電話を取らないという訳でないんですが、誰か取ってくれるでしょ?って感じなんですよね。いやはや、大らか。
何というか、皆良い意味でマイペースに仕事をしています。雰囲気としては、僕が派遣で最初にお世話になった某SIerを、民間寄りにして、更にアメリカナイズ、そして、これが一番重要なのですが「上司が部下の働きやすいセッティングをしてくれる」。これはでかい。


とまぁ、そんな会社…っておぅわぁ!
「ええと、あの、あれ? お嬢さんはどこからここに入ってきたんですか?」
「おとーさんの仕事を見に来たの。」
「あ、そうか。今日はあれだ…お父さんは?」
「あっち。」
見るとうちのボスと談笑している、隣のボスらしい。
周りの同僚は、辟易している僕を見てくすくす笑っとるし。つか、見てないで助けてくださいよ!
やめろ…そんな純真な目で、フリルふりふりの服で、僕を見るなぁぁぁ!
昼休み*3なのに、キーボードを一心不乱にかちゃかちゃしているのが珍しいらしい。
「よしつねさん、とりあえず、マネージャーのところに連れてってあげたら?ふふふ。」
「いや、あの、つか、ダンサーさん*4…、やっぱ、連れて行かなきゃ駄目ですよね? 僕が。」
「うん、お願いね。くすくす。」
全くどいつもこいつも…人が悪いというより、人が困っているのを楽しんでいるだけだからたちが悪い。


…斯様にうちの会社はアメリカナイズされています。
何でも『お父さんお母さんの仕事を見てみようDay』なるものが設定されており、今日はたまたまその日という事を思い出しました。
悪い事じゃないと思うけれど、ちょっとびっくりしました。


話を元に戻しましょう。
今回言いたかったのは、電話の応答で、その人の『質』が大体解ってしまう事。
正直な話、僕も電話はとても苦手、しかも会社で誰からかかってくるか解らない*5という状況はもう、拷問以外の何者でもありません。
しかし…ここで、『顔も見えない、初対面の相手にちゃんと挨拶が出来るか』という、対人面における、その人の質を垣間見る事が出来るんですよね。


どぎまぎしながらも、何とか挨拶をしようとする人は『不器用なれど、なんとか自分を伝えようと頑張る人』、手馴れた人間ならば、慣れで上手く受け流しますが、そういう人は、人付き合いも『慣れで流す傾向がある』など、意外と興味深いです。

*1:前の会社、仕事それ自体は面白かったんですけれどねぇ…水というか、企業風土がどうも『理屈じゃない加減』があまりに強いところが嫌でした。例えばですね、就業時間外やら休み時間に顔洗ったり、歯を磨いただけで『そんなものは家でやれ』ですからねぇ…件の会社の平均就業年数は3年以下だそうですが…ま、納得というところです。コスト意識というのは、全ての業務に於いて必須と思うのですが、度を過ぎると逆効果なんですよね。締めるところは絞める、けれど、締めた分、現状維持や緩めるところも作らないと、人はついていきません。夢や理想だけでは腹は膨れないという例です

*2:実は、その後の今日の新人歓迎会で、その事を早速、肴にされて盛り上がりました。『よしつねは初日3時間後には電話を取っていた!』と。個人的には『そんなに珍しいかな?』と思うのですが、前任者がとにかくひどかったらしい。いやねぇ、だって、初日なんて、就業前の打ち合わせで顔合わせしていない関連部署に挨拶して以上、でしょ?特に今回は、事前の打ち合わせがしっかりしていたから、初日は本当にする事が無くて、逆に電話でも取らないと何も仕事をしないで帰っちゃう事になりますから。それはよしつねの矜持が許しません

*3:うちの担当には、昼休みに電話当番が設定されており、一時間ほど昼休みをずらして、他の人がゆっくり休めるように電話を代わりにバンバン取る、という制度があります。今日は僕が当番の日でした

*4:自分の女性上司の事。趣味がダンスなんだそうだ。よしつねに対し、とってもまめに世話を焼いてくれ、これは愛かと思ったのだけれど、既に旦那さんがいて、更には、本日の歓迎会情報によると、僕より年上なんだそうだ。無論、オフレコ指定されましたw いやぁ、面倒見の良い上司に恵まれる、というのは、もう運だけじゃなく、僕のある種の才能かもしれない

*5:多分、僕以外にもそう思った人は山ほどいると思う。だから、ナンバーディスプレイって実用化・導入されたんじゃないか?と思っています