宇宙開発あれこれ語る

とりあえずこれ。



宇宙開発というと、中国が有人宇宙飛行を行なったとか、どうしてもセンセーショナルな方面ばかり注目されますが、そんなものは実は大して偉くなく、その気になれば日本でも出来ちゃうけれどあまりに人道的でなく、しかも非常識だからやらないもんだと思っています。無論、技術的な問題もあるにはあるでしょうが、低軌道にロケットで飛ばすだけならば、あるいは。


そも、宇宙開発には金が掛かりすぎます。というより、いくら注ぎ込んでも全然足りません。はやぶさのようにいくつものミッションを掛け持ちで行なう*1のは、別に珍しい事ではないです。
かの枯れた技術であるスペースシャトルも本来は4機を10〜15回ほど打ち上げに使用したらお払い箱、とする予定が軍やら衛星やらのスポンサーの無理難題を聞いて、あの無駄に豪華な装備ととんでもなく延長されまくった耐用年数…というより、運用したくなくても、出来なくても動かす年数となったわけです。


確かに…マスコミは無知で、しかもそれに付随するコメンテーターやらはもっと知らなさ過ぎて、宇宙開発の過酷な現実を理解できているとは到底思えません。それは、技術的にも予算的*2にも。
しかし、それらを「馬鹿じゃないの?」の一言でぶった切るのは、不器用すぎ。もうちょっと、一般の方々に理解できるような解説が必要だと思いますよ。それを差し置いても、物を知らなさ杉ってのは解るが、優しく噛み砕くのは知っている者の義務。
逆に、プロモムービーとして、こういうの作っちゃうから勘違いされるのかもしれない。これは、ここのミッションをつなぎ合わせた映像です、と強調しないと。



いずれにしても、こうした技術に関する興味が、特に日本からは失せているような気がします。どちらかと言うと、応用物理の方が魅力的に見えたりする誤解とか、そもそも技術じゃなくて結果のみ享受するという体質が出来てしまっているのかもしれません。
しかし、本当に大事なのは、その結果へ至るプロセスであると僕は思います。
無論、結果を出すように努力すべきだし、結果が出なかった事はしっかり反省してもらって次に活かしてもらいたいけれど、宇宙開発はそれ以上に結果よりプロセスがまだ、大事なんですってことで。

*1:こんな感じ。ミッション達成度を参照の事。個人的には現時点で大成功だと思う。http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/today.shtml

*2:無駄な道路工事や年金を運用するくらいならば、両方撤廃して宇宙開発に注ぎ込んでもいいんじゃないか、と本気で思う時がある