上遠野浩平 ビートのディシプリンside2 電撃

ブギーポップシリーズのスピンアウト・・・と、言いたいところですが、彼の作品はどっかしらでリンクしているふしがあるので微妙。今回はピート・ビートと人間先頭兵器ジィドのからみが面白い。前作ほど戦闘に工夫が無いのがちょっと残念。
今回の話はビートの脱出劇なので、どうしても戦闘メインで展開するのですが、それだけでは持たないのでビートの過去の話も同時に展開して行きます。その分、戦闘の展開に集中できないし、どうしても薄口の戦闘になるのはちょっと気になるところです。バーゲン・ワーゲンのやり口も最初と最後ではどうも…。
逆にビートの過去は面白い。個人的に好きなキャラクターのモ・マーダー、そしてミンサーとの微妙な関係が見所かなぁ。
本編のブギーポップシリーズが若干テンションダウン*1している分、ビートシリーズは「アクションを書きたい様に書く」と言う点が素直に出ていて、そして例によって上遠野
さんの独特な人生論がいい感じに織り交ぜてあって読みやすい。
ビートシリーズを見ると、本当にこの人はジョジョが好きなんだなぁと思うのは僕だけ? 台詞回しが、どうしてもジョジョを髣髴させられます。
ま、今回はside1で広げた設定を掘り下げる作業なので、その分「見せる」部分が少ないのは致し方の無いところ。でも、バーゲン・ワーゲンがフルスペックを見せる前に叩いちゃうのは、ちょっと勿体無い気がしたなぁ…。
最後に、モビィディックのリセット、なんですが、個人的なイメージは浅野温子の演じた「沙粧妙子」なんですが…老け過ぎ、行き過ぎ?

*1:個人的にはいい感じに肩の力が抜けたと解釈している