笹本祐一・天使の非常手段 RIO 1

ロケット野郎には必須の笹本祐一だが、ARIALを除くといまいちとか言われてますが、これが実はそうでもない。最低でも「星のパイロット」シリーズは読んでおいた方がいいと思う。
で、その星のパイロットの系譜と言える、いわばご先祖様ですね。この作品は。初版の表紙は主人公「リオ・コガワ」のモデルだと思われる小川範子だったりする。さて物語は、天使と呼ばれる遺伝子強化された少女のトラブルシュートもの。基本だけれども笹本テイストが随所にあふれますね。
なお、今回の角川ハルキ文庫版は、改稿されているので古臭さも感じられず、タイトルからシリーズものだと思えるので続きが読みたくなる感じに仕上がってます。三本のエピソードが綴られていますが、特に#1は星のパイロット風味が高い。個人的には探偵物語の工藤風のクドー(笑)がカッコいい#3がお勧め。
そういや笹本祐一といえば、日本産ロケットのHシリーズの取材記をまとめた本も出ているので、そちらもお勧めしておく。

ああ、それからロケットの仕組みや歴史に興味を持たれたならば、学研の「マンガサイエンス」をお勧めする。ⅣだったかⅤは丸々一冊、ロケットについて語っていて、しかも誰でも解り易い、さらにあさりよしとお先生の萌える絵が素敵と、いいこと尽くめの本である。