アップデートキット? 〜F-15SEのあれこれ

『売れる車』って題材でずっと練っていたんですが『欲しい車』は思いつくのだけれど『売れる車』ってのはどーも思いつかない。車好きの発想だから、なんだよねぇ、きっと。


んでもって。
あのテクノバーン*1の発表なんで、いまいちソースに安心感が持てないのですが。



F-15ってのは日本にも配備されている、ポストストール機動とステルスを装備した現代機以前ならば最強の機体とされていた戦闘機なんですね。
しかし、もう初飛行から40年以上も経過している機体なので、アビオニクスは旧式、機体性能も『大推力で敵の背後についてミサイルをぶっ放すための能力』に特化という現代戦では到底考えられない仕様になっています。


しかしながら主翼の片方が脱落しても飛べるという逸話が出来るくらい、信頼性が高い機体ですし、アップデートは重ねに重ねられたのですが、それももう限界、という訳だったのですが…。


今回のアップデートの主軸はステルス化対応、そしてアビオニクスのアップデートです。
ステルス化はミサイル等の武装の内蔵と、垂直尾翼のVテイル化*3、そして機体全体に電波吸収素材の塗布と更なるロービジ化のマット地塗装。
これだけ見ると十分なアップデートが期待できそうな感じはしますが…。


まず、ステルス化について。
見たとおり特徴的なエアインテーク、コックピットの真下まで延びているエアインテークですが、こいつがステルスのスの字も感じさせない、空気取り入れの機能一辺倒でして、とにかくがばっとでっかい面積を取っちゃっています。これはF-15の基本設計なので、ほとんど変更の仕様が無理なんじゃないかと思いますが、しかしRCS…レーダー波を反射する面積のこと…から見ると、これは不利なんじゃないかなぁ。
また、垂直尾翼のVテイル化ですが、こいつも基本設計が文字通り『垂直』だったのを、気持ち程度傾けてRCSを減少させた、のですが…F-22と比較するべくも無く、まだまだ垂直なんですよね。F-22垂直尾翼がどれくらい寝ているかはこっちを見てもらうとして。



大まかな機体形状は確かに、F-22もクリップドデルタに近い感じがしますが、ことステルスを考えると、まったく違うんですよね。


電波吸収素材とロービジ塗装ですが、ロービジ塗装はともかく、電波吸収素材の塗布がそれほど有効ならば、特に米軍なんかはあっという間に全部の機体に施す*4だろうし、メンテナンスを考えるとあんまり有効とも考えられないんですよねぇ。


最後にコンフォーマルウェポンベイ、武装の内蔵化ですが、これはどうなんだろう。実は一番よく解らないのがこれです。内蔵化によって、機体バランスが大きく変わって、現場の人間の方から嫌がられるんじゃないか? そう考えています。


いずれにしても、あんまり期待出来なんだよなぁ。
そりゃ価格でF-22を一機導入するよりアップデートキット十機分、とか言われたら考えちゃうだろうけれどね。


そうそう、アビオニクスのアップデートを書いていないのは、こちらはまったくと言っていいほど期待していなくて、グラスディスプレイ*5を投入してお茶を濁すだけ*6だと考えているからです。


はっきり言ってしまうと『使えるのかこのアップデートキット?』ってのが本音です。


全く関係ないところで、こんなネタも。



こちらはエンジン換装と何か、ってところだけれど、ボーイングの連中もおんぼろ貨幣のウォンでも売り込みたい、って程必至なんだろうか。

*1:とにかく誤報、誤訳が多い金融系情報サイト。当初はかなり見づらく、やっと見やすくなったと思ったらこの有様、ってサイトです

*2:言っているそばから、サイレントイーグルがストライクイーグルになっているんですが…orz

*3:垂直尾翼を外側に寝かせて、正面から見るとV字型になるような改造。これにより、機体の突起物によるレーダー反射が軽減される

*4:とは言うものの、F-22のメンテナンス…いや、ステルス機のメンテナンスは滅茶苦茶大変らしい。何せ、機体の温度変化で塗布の変質だけならまだしも、脱落なんてあってはならんだろうし。そういう意味ではF-22は『最初からステルスとしての設計』であろうし、そうした設計時にはメンテナンスを考慮していてもメンテナンスが面倒、と言われているので、後付ステルスがどれほどのものか、というのは解ってもらえるだろうか

*5:通常の、針で表示されるメーターではなくて、液晶画面に描画したメーターや情報表示を行う。最近はもっぱら、グラスディスプレイが中心になっている。ちなみにF-22ではグラスディスプレイオンリーだとか。いざって時に危なくない?

*6:流石にミサイル誘導の共有とか出来たら導入の価値あり、なんですが…どうなんだろうなぁ、無いだろうなぁ