軍事的見地からのメメントモリ攻防戦 〜ガンダム00

ファーストシーズンはかなり軍事的な評価の高いガンダム00ですが…。


駄目だろう、セカンドシーズン!
前半の山場である、メメントモリ攻防戦まで見てみたのだけれど…軍事的な見地から面白いと思える作戦が無かったんですよねぇ…。


では、メメントモリ攻防戦を軍事的見地から語ってみましょう。


■ 何で強行突破作戦?
のっけから、強行突破という熱い展開、というのは、絵的には面白いんですが、軍事的にはまったくもって無茶がありすぎます。
単艦での強襲というのはともかくとして、ほとんど特攻と言える作戦構成はひじょーに疑問、なんですよね。そりゃ、ガンダムの性能頼りって作戦構成はともかくとして、機動兵器を内蔵したままの強襲というのは、どう考えても理不尽。
人的被害を恐れるならば、衛星を無力化するだけで十分で、加えてそれは衛星本体の破壊は含まれないんですよねぇ。
例えば、衛星軌道を破壊するだけでかなりの被害を抑えられるだろうし、その後に本体の攻略をじっくり考えるといいと思うんだよね。


■ 運動エネルギー兵器を何故使わない?
強行突破作戦を取るならば、無人戦艦による特攻が実は一番効果的なんじゃないかなぁ、と。GN兵器で地球の反対側から加速した戦艦*1を衛星兵器にぶつけるだけで甚大な被害が出ると思うんですよね。なのに、なんで手持ちの戦力を敵の前に晒すと言う具を犯すのかが、僕にとって一番理解できない点です。
ファーストシーズンは準備期間とか、活動規模とかがほとんど無いと言う点で、また、GN兵器の優位性で無茶な作戦も多少は評価できるし、また、それしか選択肢が無く、やったらやったでとっとと撤収していたので。
むしろ、アロウズが本当に馬鹿なんだろうか。


■ テロと軍事作戦は一緒ではない?
現在の軍事作戦は、アメリカの様な展開を行わない限り、可能な限り人的被害を抑えて最大限の効果を発揮するように行うのが基本じゃないかと思うんですよ。ソレスタルビーイングの連中は、そうでなくても人的資源が一番枯渇していますからね。加えて、ガンダムを少数ながら揃える事が出来るって物的資源があるならば、大質量兵器で衛星軌道を分断した後ならどうとでも出来ると思うんですよねぇ。
基本的に奇襲でしか優位性を保てないソレルタルビーイングにおいて、ああいう軍事作戦は自爆テロより成功率が低いので、そこらじゅうがよってたかってスメラギ嬢を糾弾しなければならない。
それからアロウズの連中はもっと間が抜けている。メメントモリを複数揃えんかい!と、思わず突っ込みたくなりますよ。イゼルローン要塞じゃあるまいし、何故に軌道上に一基しか作っていないのか。複数作れば相互にカバーできるし、軌道自体も複数にすれば、それだけで攻略する手間が倍になるのに。


■ 軍事的な味付けとは?
まぁ、真面目な人を相手にすると、そもそも、衛星軌道とかあんな馬鹿でかい衛星兵器を見つけられない方がどうかしているし、衛星兵器を防御する方法だって、他にもいくらでもある、と考えるから大変だよなぁ、と思います。
しかしながら、軍事アドバイザーを付けておりながら、あまりに陳腐すぎる作戦展開は正直、面白さを思い切り殺いでいます。それが本質ではないとしても。


水島監督は真面目にガンダムを見ている連中に大上段からぶった*2のだから、その辺は頑張って欲しいと思うな。
この件に関しては、2回目も書くかもしれない。異論、反論等など大募集です。

*1:別に千巻じゃなくても、大質量なら隕石でも何でもいいんです

*2:こちらを参照:ガンダム00の水島監督「ネット上の“脊髄反射的なアンチ”が制作側のモチベーションを下げている」http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1203132.html