プロというよりはクレイジー 〜WRCのススメ

今はWRCのオフシーズンなんですが、来月早々に始まるので、皆をはめてしまおうかと…。


まずは、ラリーがどんな競技なのかというダイジェスト。



これは2000年のWRCの模様のダイジェストです。
こんな、カーアクションみたいな走り方をしているのが競技として成り立っているのが凄い。*1
そもそも、ラリーというのは、純粋なタイムアタックで、ある区間を最も早く駆け抜けた奴が一番、というとても解りやすいルールなんですよ。*2



こちらはもう少し古い映像があり、更にアグレッシブなタイムアタックが見られます。*3
90年代はまだ、車の制御技術が発展途上でして、もう直線を走っているのに、ちっとも車が正面を向いていない、これなんてセガラリー?状態で突っ走っているんですよ。
今のWRCはここまで車が横を向くということは、あんまり無いのですが、それでも基本は一緒で車が正面を向いたまま走るシーンは殆ど無いのがWRCの醍醐味なんですよね。



さて、オンボードカメラ…車内に設置したカメラの映像を見てもらったところで…。
ラリードライバーがどれほどイカレポンチ極まっているか、お分かりいただけたでしょうか?
しかも、このオンボードカメラが搭載されている車、グループNというカテゴリでして車の動力自体は市販の車と全く一緒なんですよね…いやはや。
無論、サスペンションやら安全対策が施されているのですが、それでも殆ど市販車と変わらない状態で神業としか思えないドライビングを見せてくれるのがラリーです。



これが現在のラリーシーンです。
昔ほど豪快に車を『曲げる』という感じではありませんが、それでもコーナーに対して『くるっ』と吸い付くように曲がる姿も豪快です。
今のWRCはこのように、見た目は大人しくなってきていますがコーナリングスピードはどんどん上がってきているので、全く以て侮れません。寧ろ、人を轢いたりしない分、レースに集中できるうえ『速い』のです。


どーですか?
確かに、F1の様に予定調和的な紳士的なレースも面白いですし、SuperGTの様に市販車の格好をしたガチンコカーの殴り合いも面白いです。
しかし、本当の意味で市販の車を改造した競技はラリー、とりわけWRCのみ*4ですし、ファンとドライバー、メーカーの距離も近いのが特徴です。何せ今はWRCが北海道で開催される時代ですからね。*5


最後に…。
競技じゃありませんが、こういうのは本当に楽しそうです。



本当に面白そうだ。
つか…このGT-R、無茶苦茶上手くて速いじゃない!

*1:2000年当時の車は、今のラリーカーの様に自分で曲がるというより『暴力的なパワーで車を滑らせて、無理矢理曲げる』といった走り方をするので、こんなに激しい走りになっています。今では多少は大人しくなっているものの、それでも舗装もされていない道を200km/h近くでぶっ飛ばしたり、100km/hで車が横を向いたままカーブを越していく様はF1の様に行儀良く走るレースしか知らないと、驚きの連続となるでしょう。よく言われている事ですが、F1ドライバーWRCで全開走行は無理ですが、逆にWRCドライバーはF1でも全開走行が出来る、というのは車の制御という意味に関してWRCドライバーはとても優れいているからなんですよね。それでも、F1のGはきついと、とあるWRCドライバーは言っていましたが

*2:無論、チャンピオンシップ…連戦なので、順位に応じて得点が与えられるシステムなので、その辺の駆け引きも出たりするのが面白い。また、超高速で走る区間もあれば『一般車と同じ道を走る』区間もあるので、ラリーはモータースポーツの中でもファンに近いと言えます

*3:その他にも、90年代の貴重な映像…セリカST205やらレガシィWRC、ランチャストラトスといった車も…!

*4:正確には市販車を改造したラリーはPWRC(現在ではPCWRCとは言わないらしい)という競技でして、WRCの主役であるWRカーでは、車の幅やエンジンの換装まで許されているので見た目こそ近いものの、中身は別物という状態です。それでもWRCと開催地が同じ場合はPWRCの中継も少しだけだけれどあったりするので、マメにチェックするといいかも

*5:現実問題として、WRカー導入によって、マシン開発にコストがかかりすぎてしまって、今、WRCの新規参戦は難しい状況だったりしますが、2012年に規定を変更しようとする動きもあって、これによりマシン開発費が抑えられるならば、過去に参戦していた日産やトヨタがラリーに復活してくれると…面白いかもしれません。トヨタは『スバル』というブランドで参加している、と言えなくも無い、ですが…