官と民の差

きょうはちょっと、件の3幼児死亡事故について語ろうかと思う。


事件自体はそこらじゅうで報道されているので、僕として気になったのは判決趣旨。これね。



しっかし何というか…。
こういうの見ちゃうと裁判官って浮世離れしているんだなぁと思うしか無いでしょう。


いやね、司法の理屈も加害者も弁護する権利があるのも知っているけれど、事こういう事件*1というのは、感情的に収まらないという部分も考慮すべきだと思う。
明らかに非があるのは加害者なのにもかかわらず、交通事故ってのは加害者有利なシステムで解決してしまうもの、なんだよねぇ…本当に。


それで、僕が一番気になったのはこれ。

被告は事故以前にも4件の交通違反歴があり、酒気帯び運転もしていたと述べており、交通規範意識は著しく鈍磨していたと言わざるを得ない。



飲酒運転の常習者じゃないか!
どうして司法の判断でこの辺が無視されているのか、法的な理屈は良く解らんが、普通の殺人事件とかだとさ、精神鑑定とかで正常な判断云々、ってあるじゃない? それから被告の生い立ち云々とか。
まぁ、その辺の微妙なところを抜きにしたところにしても前科持ち*2な訳だ。


あとね、鶴岡さんともちこっと話をしていたんだけれども、交通事故というか、車での轢死ってのは『最も確実で安価で低リスクの殺人方法』である訳なんですよね。
そういう事を意識してこの裁判官はこの判決趣旨を出したんだろうか。


道路交通法が形骸化している、というのは罰金が警察運営の為の集金システム化している部分も十分、考慮に値すると思うんだけれどね。
しかし…『殺人まで』発展した事故を、しかも十分酒を飲んだ加害者に対し『正常な判断が出来た』とする裁判官は如何なものか。


僕は大岡裁きが正しい*3とは思わないけれども、被害者感情を無視するどころか逆撫でする今回の判決はおかしいと思う、んだけれどなぁ…。


法曹界の友人は殆どいないんだけれど、そういう人たちはどう考えるんだろうね。専門家の話を聞きたいよ。ワイドショーとかに出る人じゃなくてね。

*1:個人的な印象込みで『事件』。僕の常識で考えると事故というのは無理がありすぎる

*2:交通違反は犯罪で違反すると犯罪になるんだけれども、その辺を『私が悪うございました、罰金払うから起訴だけは勘弁な?』という書類にサインして、手っ取り早く不起訴処分にしているだけなのである。いずれにしても、起訴されて有罪になっていないから『前科持ち』という例えは適切では無い点に注意

*3:子供の手を引き云々、って話は逸話であって史実では無い。同じような話は旧約聖書のソロモン王もしている