機動戦士Zガンダム A New Translation 星を継ぐ者 フルバーニアン版

方々で感想が出ているので、どうしても今更、な感じはありますけれど、よしつね的な視点から。
まず・・・。
ストーリーは総集編、という割には随分とスッキリしています。TV版のカミーユの電波っぷり、加えて周りの大人のぐだぐだっぷりはかなり薄まっています。特にカミーユ、普通とまでは行かなくても、随分丸くなった印象があり、この辺は期待できないでしょう・・・これは、富野監督自身を投影している部分なんじゃないのかなぁ。
全体的なボリューム感は十分なのですが、流石にカミーユ反政府運動に荷担するという描写は強引すぎる気も。それだけにティターンズの狂気が見て取れる、という感じなのかな。
老人キャラ・・・富野監督にとっては老害キャラなんでしょうが、クワトロとアムロはかなり目立っていました。こういう話の建て方がすんなり出来るって事は、インタビューにあった通り、納得できるものがあったのかなぁ。
今回はアムロとクワトロ=シャアの邂逅までで一区切り。
・・・うーん、それでも、TVシリーズを見ていないと、かなりつらい作り、かなぁ。
さて、お待ちかねの作画その他。
新作カットはクオリティ高すぎ。全編このクオリティでも、いいと思う。「新解釈」ではなくて「再生」でも良かったんじゃないか、というクオリティ。
先にも書いた通り、カミーユ=mkIIと父フランクリン=リック・ディアスなんか、もうTV版のもたくさやっていたのが信じられないくらいの、達人同士の戦いっぷりでびっくりですよもう。親父、開発者じゃなくてテストパイロットじゃねぇの?ってくらい。
MS戦と言えばロザミアのギャプランからブランのアッシマーでしょう。ギャプランのメカ的な楽しさもさることながら、ブランのアッシマーは完全に百式&mkIIのタッグを圧倒していましたからね。クワトロのショットシェルってミスチョイスもあったけれど。そしてアムロ登場。無意味に存在感があるよなぁこのダサかっこいい人は。
さて、作画でよしつねが一番誉めてあげたいのは、
メカ設定にとても忠実という点。
特にマルチスクリーン*1とファンクションモニタ*2の描写は素晴らしい。
例えば、カミーユがmkIIを起動する時にマルチスクリーンではサブウィンドウでステータスが表示される。
例えば、マルチスクリーンでロックオンしている敵は、ファンクションモニタでちゃんとトラッキングされていて、ロックオンであるステータスも英文で表示される。
TV放送時のファンクションモニタはイデの発動ゲージみたいだったからなぁ。小説版を読んだことのある人間としては、これだけでももの凄い感動です。
最後に、キャストについてちょこっと。
色々言われていますが、ロザミィの浅川悠は良いんじゃないでしょうか。ただ、TV版ではロザミィはカミーユに比べ、遙かに年上なのに「おにいちゃん」呼ばわりという、強化人間ならではの轟なエピソードを語る上では、旧キャストの方が良かったり。*3
それから、カツのくそ生意気さは難波圭一の方が良くないか?とか。
さて。
全体的な仕上がりというか、ストーリーそのものは20年前でここまでキレたストーリーという点を評価すべきであって、よしつね的には、他に比較するべきものではないかなぁと思っています。オンリーワン、孤高の富野監督ですから。
かなり解りやすいとは言え、TVを知らないときついという前提条件はありますが、条件さえクリアしていれば、十分楽しめます。
それから。
行くなら絶対に夜に行きましょう。レイトショー狙いで。
最後の最後に。
ノスタルジーと共に楽しめた貴方、ようこそ、サーティーンオーバークラブへ!!

*1:全周ディスプレイの事ね

*2:パイロットが着座した時に、股間からもっきり立ち上がる小さいディスプレイの事ね。余談だけれど、これってとっても危ないんじゃないだろうか。理由はバイク乗りなら解るよね?

*3:しかし、この辺の設定は改められているかもしれない。なぜならパンフにロザミィの年齢が17と書いてあった。確かTVでは20をゆうに越えているんじゃなかったっけ?