山本弘 神は沈黙せず 角川書房
すげえ。ひたすらすげぇ。トンデモねぇ。
とりあえず後半に差し掛かったところですが、とにかく読み応えがある。
全般的に、角川スニーカーの頃と違って落ち着いている…というか、大人の文章になっている気がします。それだけに主人公の生き様にリアリティを与えています。
内容は…正直、まず勧めておきます、読んでもらいたいんですが、ちょっとだけ。
今までは「非科学的だ!」の一言でぶった切っていた現象*1を全て、山本弘流の解釈をしています。士郎正宗も宗教に対してドミニオンの頃と比較すると現在ではかなり受け入れていますが、山本弘の方は更に一歩、現象としての捉え方を深く、理屈の上で成り立たせています。個人的には山本弘の過去のうやむやだった点の総決算という感じで読んでいます。
とにかく凄いな、と思ったのは超常現象の綿密な調査。これはとにかく凄い。これだけでも一つのネタとして活かせます、ってくらいの調査をしているはず。それを惜しげもなく一つの小で使い切っています。
それから、スニーカーの頃の著書と違い、トレンドをとにかくふんだんに入れていますね。特にネットの描写は僕が今まで読んできた作品の中で最も正確に描写していると言えます。技術的な側面では本書の趣旨ではないので、殆ど触れられていませんが、実際に2chの論争の展開などを良く見ている、と思います。*2
これからの展開が非常に気になるところですが、久々に読み終わるのが惜しい作品です。最新刊の「審判の日」ももの凄く期待できます。今週末には間違いなく入手しているでしょう。
最後に。
本気で思ったのは宗教観の全く無い僕ですがこの説ならば神を信じる事が出来ると思いました。
とにかくお勧め。まずは読んでみて下さい。
追記:
950ページは間違いです。550ページが正しいです。それでもライトノベルとは比べ物にならない分量ですが。