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木曜洋画劇場でやっていました、2002年製作のドイツ映画です。録画を見ました。
無論よしつね的にはアニメ化大失敗のes〜otherwiseとは全く別物です。
さておき。
この映画は1971年に実際にスタンフォード大で行なわれた実験「囚人・看守実験」がベースとなっております。
この実験、簡単に言うと一般の人を集めて囚人と看守に分けてロールプレイする、というものですが、実験の結果は15日の予定が6日目にして中止されました。囚人は没個性化が強調されて、看守はその増長ぶりが激しすぎて実験の継続は危険と判断されたそうです。その公式サイトはこちらなので、実験に関して詳しいところは下を参照してください。

映画の方は、ドイツで撮影されたものです。キャストは皆、ドイツ名ってのは雰囲気たっぷりでひじょーに良い。
序盤の淡々とした雰囲気は、いかにも実験っぽくて良かったのですが、中盤からの、主人公である新聞記者がいたぶられるにしたがって、徐々にハリウッドテイストになってきたのはちょっといただけないかな。
個人的な好みとしては、この手の映画は誠実さ…つまり、緻密なディティールとそれを生かす丁寧なストーリー展開だと思うんですけれど、看守が切れ始めたあたりから「ありえねぇ」連呼、数知れず。大体、大学側の人間を拘束しちゃうってところはもう洋物AVって感じの荒っぽさがあります。その分、映画としては楽しめるんですけれどね。いわくつきの実験が下敷きになっているって割には安直な展開は戴けません。
まーテレビ放送なんで、どうもカットしているシーンがあるような気がしてならないのですが、興味がある方はどうぞ、という感じです。
やっぱり、後半の派手すぎる展開がなぁ…実にもったいない気がする。