萌えるハムレット

いやー良かった。寧ろ良すぎ。ハムレットってこんなに萌える作品なんですか?*1というのはやはり、ハムレットとホレイショー、オフィーリアとガードルードの性別を全く逆にした事が非常に効果的なんだと思う。男性が演ずる女性陣は女性の中の強さと笑い、女性が演ずる男性陣は男性の中の脆さと不安定さが良く出ていました。そして萌えだ。
当時の服を見たことはないが、舞台上ではいわゆる定説通り、女性は比較的もっさりした服、女性陣は体のラインがきっちり出るレオタードに白のフリルだ。僕にどうしろと?という男装の麗人が歌い踊りそして舞うのである。
さてさて、あんまり萌えてばかりじゃ、招待してくれたNECO氏に悪い。
とにかく、いままで見てきたハムレット*2の中では群を抜いて見やすい。元々、ハムレットは長丁場の台詞が多くアッパーテンションのトミノキャラみたいな演出が是とされるが、この場合は宝塚のスターですからね。これは見事なチョイス。それから、舞台にはインターバルとして設けられる「暗転*3」が殆どない。キャストの立ち方やモブとして演技させることで見事に場面展開を流れを止めずに進行させている。
それから笑いの演出は外せないね。女装の怪人*4のガードルードの激情やオフェーリアの狂気*5は男性ならではの力強さとこだわりがあり、そして本当は「くる」シーンなんだが、見事に笑わせて貰える。

*1:普通は萌えない。寧ろ厳格さ加減を楽しむ作品だと思う。あとディティール。フォーディンブラスとかの背景とか、ハムレットvsエアディーズのバトルとか。特にこの対決はいろんな解釈が存在する

*2:と、言っても高校演劇とか四季とか数える程度だけれど

*3:アニメで言うフェードアウト、フェードインで場面をがらりと変えるあれである。別にフェードインっても、バイクに乗って巨大な石像に吸い込まれるんじゃないよ

*4:失礼、でもイメージは良かった!特にオフェーリアのボーイズソプラノは聞き応えがあった!

*5:白雉というべきなんだろう