よろしくチューニング

車って奴は嵌まるともう、どうしようもなく厄介なものである。特にストリートでもサーキットでも漢が速く(女の子でも当然可)走ると決めたら自分流の味付けをしたくなるものである。どんな方法であれ。
とにかくパーツが気になる時期が過ぎてから、自分の腕前が把握できるようになると「ハードなサスペンションは姿勢作りが難しいから、ややdullくらいが丁度良い」とか「まずはグリップを稼ぐ。Sタイヤで行く」とか「バックストレートでブーストレベルを上げる」等と台詞が出てくれば腕前はともかく気分は既にエースパイロットであり、エースはボディを真紅に塗装しなくても専用機となる訳なんですよ。これが!!
斯様な思いがドライバーの数だけあれば、チューニングの思想も大枠ではまとめられるけれどよく見ればみぃんな違うものなんですよ。全く同じパーツを使っても、セッティングは絶対に異なります。
さて、ではよしつねのチューニングの思想はと言うと『ノーマル時の特性を最大限に活かす』と言うものです。
ベースとなる車はなるべく軽量・高性能でパワーは必要十分であればよく、とにかくハンドリングを重視する。実際に施すチューンは、街乗りでも乗れるレベルを確保しつつ『量産時のキャパシティ』を削り車の特徴、癖、言うなれば設計時のコンセプトをどんどん明確にしていく、というのが考えです。
確かに、今乗っているFCは重量的に有利だからパワーチューンもしやすいしパワーアップパーツも豊富、300馬力ならば、それほど費用を掛けずに行けるんですが…それは僕の欲しい車じゃないんですよ。そっちの方がタイムだって出るし、ドライバーの負担も減るし楽になるんですが…。あまりにもそれに拘って一度こんな事を言われました。
『切れないナイフで無理に切ろうとしたら、力を入れすぎて刃がどこに飛び出す変わらないだろう?切れるナイフは危ないが、楽に思う通りに切れるんだよ。パトカーがオーバースペックなチューンをしているのはどうしてだと思う?』
それでも今のやり方を変えたくないんですよ、僕は。フルメンテナンスの次はインターフェイスとなるハンドル、シフト、ペダルを自分の扱いやすい様にする。次に乗り心地のよさや街乗りに対応するためのキャパシティを減らしていく。今はこの段階。これを終えてFCで納得できる走りが出来たならば、パワーチューンや乗換えを考えて行きたいと思う。
この考え、行き着くところまで行ってしまって、現実じゃないドライブゲームをする時でもこんなチューニングをしています。でもさ、特にGTシリーズとか遊んでいると思うんだけれども『高性能パーツ全部入り』ってつまらない気がする。あえて自分の拘りを通して相手をねじ伏せるのは、ゲームも現実も同じ。だからこそ、リアルの車、僕のFCで行きたいんだよね。
差があるから面白いんであってさ。