BOSSが来た 〜大人の会話

ボスと言ってもファイナルリミット解除! シェルシステム、シンクロ…スタート!じゃなくて、うちの派遣会社の大ボスです。


契約書やら請求書やらを届けに、派遣会社の営業さん*1が、職場に来てくれるという。いずれにしても、今月の給料がどのくらいになるとか、保険とか年金とか細かい取り決めがまだだったし、午後のちょっと眠くなる時間、16時に来てくれると言うので快諾。


そして…15時20分くらい。
ちょっと早すぎやしませんかっ!?
…と、突っ込みを入れたくなるのですが、今日は台風云々と言われていたし、ずるずると遅くなるよりマシなので、マシン室の設定途中のサーバにロック*2をかけて、急いで身支度をする。
こうも暑いとネクタイなんて…ネクタイなんて…と思ったが、念の為に、一応しめておく。


会合場所は会社2Fにテナントが入っているTULLY'S COFFEE。
呼び出しの電話の時に『よしつねさんは何を飲みますか?』とオーダーを聞かれたので、ここは大人の対応。『あっ、飲めるものならば何でもいいですよ。』


そして店内。
『よしつねさーん、こっちです!』
は〜、営業さんとどっかで見たことのあるおっさ…あ、あれ?う?
め、冥王星まで飛ばすつもりです…か…?
よしつねが初めて、派遣で拾われた、今はもう天上人、既に会うこともあるまいと思っていた大ボス登場。


「作業はどうですか?」「は、規模がとにかくでかいので、取っ掛かりを探しているところです。」
「時間に厳しいところとききましたが?」「は、それには及びません。お陰様で、家から30分の通勤時間ですから。過去のようにだらだらは。は。」
「待遇に何か問題は?」「は、特に問題は。寧ろユーザと近い位置にいつつも、全体が見渡せる、非常にやりがいのある部署です。まさに自分が望んでいたポジションです。」
「なるほど。元気そうで何よりです。6年振りですか?」「は、途中、仕事が切れて一度は契約が切れましたが、やはりここで紹介される仕事は間違いないです。」


…と、終始こんな感じで狼狽しっぱなしのよしつねでした。
しかし、話はここで終わらない。本当の話はこれからなんですよ。


「いや、いや、いい話が出来ました。よしつねさんにはもっと頑張ってもらいたい。」「は、その所存です。」
「うちとしても、先鞭をつけた甲斐があります。更に拡大できると嬉しいです。」「は、微力ながら精進させてもらいます。」
「実はね…今回の仕事、弟のつてもあってね。義理の弟なんですが。まぁ、そういう絡みもあってね。」「は、了解しました、肝に銘じておきます。


さて。
ここで大人の会話というものを、ちょっとだけ披露しましょう。


今回の視察の肝は、どこにあると思います?
契約書などの書類の手渡し? いやいや、それは郵送で十分です。
仕事の様子を確認する? 今更です。そんなもの、一ヶ月以上放っておくことじゃないです。
陣中見舞い? 面白すぎます。電車賃掛ける理由がありません。
すべては、最後の一言をいいたかっただけなんですよ。


つまりは、こういう事です。
最後の一言に的確な翻訳を施すと…。
「今回のヤマぁ、手前の能力を買っての事だが、相応の覚悟を持て。下手を打ったら解ってるだろうね?」「先刻承知ですが、十分過ぎる程に理解しました。」
…と、なります。


よくよくこの辺を勘違いしたり、軽く流してしまうと、後ででっかい後悔が待っているのですよ。
心配性? それはそうです。石橋を叩いて人に渡らせる位の慎重さを持って、大きなヤマというのはこなさなければならないんですよね。


こうした大人の会話の裏を読む…コレが出来ると出来ないでは、様々な場面で難儀します。それだけは、老人からの忠告としておきます。

*1:一言営業と言っても、支店長である。僕も偉くなったもんだ…いやはや

*2:スクリーンロックだけでなく、物理的にラックのドアを閉めて施錠