プロの仕業 至高篇

忙殺と言われる作業、ことに対価が伴う作業であれば、稼動的余裕から逆算しどんな凡ミスですらも許されず、またミスする事で掛かる稼動を考えると、ある種フェイルセーフ的な手順による確認が必要であり、その稼動も無視できなれば、これを単純にマンパワーで処理する行為は自滅的であり自壊構造に近似している。故にミスは発生し、それを自らの行為と省みる余裕があったにせよ、心理的には非常に高い負荷が科せられる。
さて。
そういう、殺人的とも言える作業の連続で、そりゃ疲弊し消耗し磨耗するよしつねさんの精神、ひじょーにアンバランスではありますが、そんな中でも仕事は仕事、割り切って行こう…となるのですが…。
そういう時に、過ぎ去って取り返しのつく凡ミスを指摘されるほど嫌なものはないんですよ。既にリカバーが完了している点を確認するのは良いのですが、穿り返すほどの余裕は全く無く、貴重な時間は過ぎていく訳です。
我慢はしました、種を蒔いたのは自分ですから。でも顔には出ちゃいましてね。
速攻煙草部屋にて気分転換を図ろうとしたところです。
ここで、尋常ならざるスペックの人間というのはいるもんだ、と再認識しましてね。
同じ担当のK氏、です。
彼は元々、凄まじい作業ペースで仕事をこなす人間でしたが…色々聞き及んでいることもあり「仕事は一流、でも会社での人付き合いは三流。」等と評していたんですよ。
しかし…。
なんと言うんですかね、きっちりとフォローを入れてくれたんですよね。これには参りました。しかも…あ、僕、今、フォローされてる?と考えないと気づかないように。
彼、結婚して子供も居るんですが、確かに、そのあたりから変わった気がしていましてね。でも、ここまで他人の感情の機微を見抜く…というより、意図的に無視していたと思っていたんですが、こんなフォローの仕方をするなんて、正直驚いたのを通り越して、軽い畏怖さえ覚えましたよ。たった二年会わない*1うちに、人間ってここまで成長するんだ、ってね。
なんて言うのかな、もうこの人、殆ど完璧じゃないですか。
確かに彼の指揮下での仕事はきついが、必ず成果を出してくれるし、僕も限界近くのスペックを出力できるような絶妙の作業ペースというのを課すし。
勝てん。僕が上回れるところがごく僅かしか見当たらない。まぁ、だからこそ指揮下で仕事をさせてもらえるんだろうけれど。
この人の下での仕事は非常に有意義だと思う。
しかし…会社を辞めるかも…という話も、小耳に挟んだ。確かに、うちの会社で収まる器では無いし、もったいない気もする。
…本当に出来る人間、というのを見た気がします。

*1:よしつねは二年間、別の…某所で作業しておりました。その間、K氏とはたまに顔をあわせる程度、だったんですがね…いやはや