全日本武術太極拳選手権

モンキーターンVを見る前の暇つぶしとして、BSで見ていたんですが、なんつーか…華麗なんだけれども殺人術としての影は全く無いって感じです。長拳とか槍、短剣の演舞の評価でした。
本当の意味での格闘技/殺人術というと、現代では軍隊や特殊部隊が行なっているCQBに集約されていると思います。アサルトライフル、ショットガン、ハンドガン、ナイフ等の武器を駆使し、確実に敵を無力化する、という意味では現代においてこれに勝るものは無いでしょう。少なくとも実用的な強さをウリにするには。
そりゃ僕も本物の戦争なぞしたこと無いし、かじった程度の中国拳法で、敵性勢力を無力化なぞ脳内でも無理だし、まだサバゲの余興でやっていた、ハンドガンとナイフを使ったCQBの真似事の方がまだ実用的だと思います。とにかく最小限の動き、なんですよねCQBって。ある程度慣れた人間が行なうと、武器のスイッチが本当に速いし拳法で言う捌きを決められた時は手と首を抑えられたかと思うと地球に熱いベーゼを食らわしてます。当然の事ながら、腰だめに構えたナイフでバンザイアタックも通用しません。*1
メインアームのアサルトカービンにサブアームのハンドガン、バックアップのハンドガンに最後の最後でのナイフ、これらを駆使するのですから、強くて当たり前です。こんなたくさんの武器を延々とやっている特殊部隊は馬鹿じゃ勤まらないです。
やっぱり中国拳法に非情の香りと運命(さだめ)の臭いとか一撃必殺の漢のロマンを抱く僕としては、完全にスポーツ化した太極拳選手権は寂しいばかりです。せめて陳氏太極拳ならば…と思うのですが、趣旨が完全に違っていますしね。このあたり、僕の見る視点が変なのであって。
それでもまだ、暇つぶしといえども見る価値はあると思います。最近のK-1のへたれシナリオよりは。僕にはアレを総合格闘技として見ることはどう頑張っても出来ないんですが。というか、ここ数年のK-1セメントマッチとして楽しんでいる人っているんだろうか。ネタでしょ、ネタ。
いずれにしても、中国拳法を強さをウリにした格闘技、という認識は既に過去のもの、なんでしょうね。

*1:実は軍隊でもこれが一番怖いらしい